もっちり、ひんやり新食感のアイス「くず餅バー」(4種類各2本セット/税込1360円)が、本格的夏に先駆け、Twitter上で今年も話題になっています。

 製造・販売しているのは昭和7年から続く老舗の和菓子屋「御菓子司 和泉屋」(愛知県岡崎市)さん。今夏販売を知らせたツイートには「念願のくず餅バー食べれるぞー」といった喜びの声が多数よせられ、凄まじい人気ぶりが伺えます。ここまで注目されているくず餅バーってどんな味なのー!? とはやる気持ちを抑えつつオンラインショップのリンクをポチっと押すと、なんとSOLD OUTの文字が……。

 この「くず餅バー」。夏だけの季節限定で販売されており、例年5月中頃から店頭販売が開始され、6月頭頃からネット販売が行われています。店頭では比較的入手しやすいそうですが、ネット販売は1日に梱包して発送できる量の都合で数量限定となり、ともない毎度爆売れ状態。今年ももれなく爆売れしているようで、やはりお取り寄せの場合は厳しそう。そこで、お話だけでもということで和泉屋さんに今年の新フレーバーのことや、くず餅バーが誕生したきっかけなど詳しく伺ってきました。


――Twitterでもかなりの反響でしたが、岡崎市外からくず餅バーをお目当てに実店舗に訪れる方もやはり多いですか?

関東や関西からも多くの方がご来店されています。今年は特にお取り寄せが争奪戦なので、遠方から来店し、店頭から自宅へ発送する方も多いです。

――早速ですが、こちらのくず餅をアイスバーにしようと思ったきっかけを教えてください。

元々、白桃を自家製で蜜漬けにして作る「桃の水ようかん」という商品を作る際に、桃の蜜漬けに使用した蜜をうまくお菓子にできないかと思っておりました。製菓材料の営業さんから「くず餅バー」のようなお菓子が全国で和菓子屋が作ってますよと聞き、作ってみようと思い、試作を重ねて製品化しました。

――営業の方のこの一言がきっかけで生まれた商品だったんですね。くず餅をアイスにするにあたって、一番苦労したことや、開発上難しかったことなどありますか?

関東での「くず餅」は小麦粉を発酵させた食品ですが、こちら側では葛饅頭の生地のようなイメージですので、葛っぽいもちっとした食感をどうやって残すかは気を付けました。あとは果物をたくさん使って他店ではできないくらいにとにかくジューシーに仕上げるように工夫しました。

――今年は、抹茶ミルク、ブルーベリーヨーグルト、いちごミルク以外に新フレーバーのレモンミルクも仲間入りしたとのことですが、こちらのフレーバーを作るにあたってのこだわりを教えてください。

柑橘系のフレーバーにしようと思っていたのですが、みかん味はほかのお店も多く作っており、より爽やかな「レモン」で作ることにしました。レモンは柑橘の中でも酸が強く、ミルクとのバランスも難しく、また、葛自体が酸に弱いため、他と同じ食感に調整するのに苦労しました。


――葛は酸に弱かったんですね! 初めて知りました。この「くず餅バー」を食べるとき、よりおいしく食べる方法はありますか?

5分くらい室温に出しておくと食べごろになります。

――オンラインショッピングを拝見したら完売になっていましたが、その他で購入する手段はありますか?

オンラインショップは水曜定休日以外毎日17時に追加していますが、毎回30秒ほどで完売してしまします。
あとはご来店いただくしかないです。

――当初、どのぐらいの在庫があったのでしょうか?

オンラインショップ初日は500箱以上準備していましたが、5分くらいで完売しました。

――今後は、くず餅バーをどのように発展させていきたいですか?

当店としてはくず餅バーはメインの商品ではないのです。和菓子業界にとってGWや母の日が終わってからの7月までは一年で一番暇な時期になります。ですので、その間の「にぎやかし」になればいいかなと思っております。

――くず餅バー以外にも、ほうじ茶プリン、和風レアチーズ大福など和と洋を融合させた魅力的な商品が多いように思いますが、日々新商品を開発する中で、一番大切にしていることを教えてください。

自分で自信を持って「おいしい」と思えるまでは何度でも試作をします。「これくらいでいいかな?」とか妥協はせずに完成させることですね。あとは周りのお店よりも早く流行を取り入れられるように常にアンテナを張っております。


 「創業当時の志を今に伝え、時代に合わせた味覚を追及していきます」という和泉屋さんのモットーをそのまま表したくず餅バー。現在は、オンラインショップで販売後、30秒も経たないうちに完売してしまうほど争奪戦が繰り広げられるそうですので、お店に直接足を運んでみるのも手かもしれませんね。

ネットは毎回30秒で完売 「くず餅バー」争奪戦が今年も熱い


(出典 news.nicovideo.jp)