連載「働く人の食事術」―ヘルシーランチの定番に挙がる蕎麦の良さとは

 忙しく働く大人世代が日常のパフォーマンスを上げる方法を“食”から考える「THE ANSWER」の連載「働く人の食事術」。Jリーグラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が日々のパフォーマンスを上げる食事術を指南する。

 ヘルシーに、かつ手早く食べられる定番ランチとして、サラリーマンの強い味方の蕎麦。いったい、なぜ健康にいいと言われるのか。またメニューもさまざま、どう食べればより体に優しく摂れるのか。橋下氏が気をつけるべきポイントを解説する。

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 ビジネスマンのヘルシーランチといえば、蕎麦。中性脂肪や血圧、生活習慣病が気になり始め、麺類を食べるなら蕎麦、と決めている方は多いと思います。

 蕎麦は脳の栄養となる炭水化物ブドウ糖)。ビタミンB群やタンパク質も豊富ですが、特にヘルシーと考えられている理由は、GI値(グリセミック指数)と抗酸化成分にあります。

 血糖値の乱高下が肥満につながるのは、今では広く知られている話。GI値の高い食品は血糖値を急激に上昇させるため、気を付けて摂りたい食品です。その点、蕎麦は麺類のなかでもGI値が低いので安心。なかでも、二八蕎麦や田舎そばといわれる麺の色が濃いタイプを選んで。麺の色が白い「更科そば」よりも、血糖値の急上昇を押さえる食物繊維が多く含まれます。

 また、蕎麦に含まれる抗酸化成分・ルチンは、中高年層を中心に注目されている成分の一つ。こちらは、血圧をコントロールする力に期待されています。

 さて、これからの季節、体の味方になるのは、薬味に欠かせないねぎです。

 暑さで食欲が落ちると、どうしても栄養が不足。特に、効率良くエネルギーを作る手助けをするビタミンB群などが不足すると、疲れにつながります。そこで頼りになるのが、ねぎに含まれる成分、アリシン。蕎麦に少量でもねぎを加えると、アリシンの働きでエネルギー変換をバックアップ。お疲れモードの体に元気を注入してくれます。

 また、ねぎは血糖値の上昇を抑える働きもサポート。店によっては自由にトッピングできるので、ぜひ積極的に加えて下さい。

蕎麦屋ランチでよく見かける丼物とのセット注文は大丈夫

 一方、腹持ちが悪く、すぐにお腹が空いてしまうのが蕎麦の残念なポイント。よく「蕎麦だけでは物足りないから」と、帰りがけに砂糖と脂質たっぷりの菓子パンを買う方がいますが、それでは期待される蕎麦パワーダウンします。

 それならば、腹持ちを良くするために、タンパク質も一緒に摂れる蕎麦をオーダーしましょう。メニューでいうと、鴨南蛮や卵とじ蕎麦、とろろそば。油あげも大豆なので、きつねそばもよいです。コンビニエンスストアで買うならば、とろろそばに温玉も買ってトッピングする、サイドメニューに冷ややっこを追加するのがおすすめです。

 蕎麦屋のランチでよく見かける丼物とのセットも、悪くありません。何しろ、午後の仕事は長丁場。20時21時にならないと夕飯が食べられない人は、蕎麦だけでは逆にもちません。丼ものはタンパク質もとれますし、「がっつり食べたいな」という日は、食べてOK。時にはお腹だけでなく、心の満足感を得られるメニューを選ぶことも大切です。

 最後に一つ、食べ方で注意点を。シメに蕎麦湯を飲む時は、できるだけそばつゆは混ぜないこと。「管理栄養士って細かいことまでうるさい」と思われるかもしれませんが、そばつゆはとても塩分が高い。飲みきってしまうと、せっかくの蕎麦効果も台無しですよ。

ヘルシーランチの定番、蕎麦。丼ものとのセット注文はアリ?


(出典 news.nicovideo.jp)


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