皆さんはスーパーの魚コーナーや街の魚屋に出向くことはあるだろうか。生魚と同じように、酒粕をまとった粕漬けも陳列されているのを目にするのでは……しかし、その調理は少しハードルが高いと感じているかもしれない。なぜなら、酒粕が焦げてしまう心配があるからだ。

■酒粕を焦がさずに調理するコツ

魚の粕漬けの酒粕や、西京漬けの味噌などはそのまま焼くと焦げてしまい、焼き上がりが黒くなったり、焦げ臭くなってしまったりすることがある。どうやったらうま上手く調理できるのだろうか。

「酒粕漬けや西京漬けは焦げやすいですよね。丸1日西京漬けを焼き付ける仕事をしたことがあるので、よくわかります。焦げない方法はいくつかありますが、フライパンでおいしく焼く方法をご紹介します」

1) フライパンアルミホイルシートの上に皮目を下にして置く。
2) フタをして弱火~中火でゆっくり加熱する。
3) 水っぽい場合はフタを開けて蒸気を逃がす。裏返す。
4) 仕上げに10秒くらい強火にすると、ほんのりと表面だけがこんがり焼けて食感がよくなります。 
5) 盛りつければ完成です。

アルミホイルシートを敷くこと、魚を置く向き、火加減にコツがあることがわかった。ちょっとした工夫で焦げ過ぎを防ぐことができそうだ。

「ちなみに、酒粕や味噌は魚の身にしっかり味がついているのでキッチンペーパーで拭き取ってから焼くとさらに焦げづらくなります。ご紹介した方法では、切り身についている酒粕や味噌を落とさずに買ってきた切り身をそのまま焼いてしまっても大丈夫です。拭き取るのが面倒なときはそのまま焼いて、無駄なく手間も少なくおいしくいただいてしまいましょう」

買ってきてそのまま焼けるので、手間も省ける。まさに一石二鳥の調理方法だ。

■切り身の魚をおいしく食べるための調理法

西京漬けなど漬け込んだ切り身の魚を焼く方法はわかった。しかし下味のついていない切り身の魚を調理することも多い。その際にもコツがある。

「一匹の魚をさばくところから調理を始めると準備が大変ですが、切り身ならそのまま扱えるので魚料理を手軽に取り入れられますよね。刺身なら味にその差が出ますが、煮たり焼いたりする場合は切り身の魚と一匹をさばいた魚とでは大きな差は出にくいです。積極的に切り身の魚を使ってもらいたいですね」

さばいた場合と比べても、調理後の味がほとんど変わらないなら、魚料理が苦手な人にとって切り身の魚はありがたい食材だ。

「切り身の魚をおいしくいただくにあたってのポイントは2点。1つ目は塩を振っておき、出てきた水分をキッチンペーパーで拭き取ることです。魚独特の臭気はトリメチルアミンという物質によるものです。あの独特なにおいはこの方法によって緩和することができます。そのまま使うよりも、一手間加えることで魚臭さが消えて素材と味付けが際立ちます」

ただ拭くだけでなく、塩を振って出てきた水分をふき取るのがポイントだ。

「2つ目は、魚肉をふっくらと柔らかく仕上げるために火加減ではなく魚をみること。レシピに10分焼くと書いてあって、その通りに調理したのに失敗してしまった経験はありませんか。レシピ通りに作ったのに、おいしくでき上がらないと悲しいですよね」

確かにレシピ通り作ったはずが失敗したことがある。自分にはセンスがないとあきらめていたけれど……。

「このようなことが起こる原因は、魚に含まれる水分量や身の厚さ、切り身の大きさが違うことにあるんです。これらが切り身ごとに違うのに火の大きさや強さに気を取られていると、身がパサパサしてしまう原因になることがあります」

切り身の大きさや厚さは今まで気にしていなかったという人もいるのでは。

「そんなことを防ぐために、火加減ではなく焼いている魚の状態をよく観察して焼いてみてください。弱すぎる火加減だとうま旨味が逃げ出す原因にもなります。反対に、バチバチと強い音がしている火加減だと身がパサパサする原因になってしまいます」

火加減にばかりではなく、本当は魚の焼け具合を見るべきだった。

フライパンで焼く場合は、フライパンアルミホイルやクッキングシートの上に油を敷かずに切り身を載せます。魚の様子を見ながら、ジュウジュウと焦らずじっくり両面を焼けば身が柔らかくふっくらと仕上がります

魚料理が苦手だった人も今日から自信を持って調理ができるのではないだろうか。

魚の粕漬けや切り身をおいしく焼く方法


(出典 news.nicovideo.jp)