カラダにうれしい効果をもたらすことが広く知られ、注目が集まっているスパイス。専門店の南インドカレーやスリランカカレーなどが人気ですが、おうちでも簡単にスパイスがとり入れられたらよいと思いませんか?そこで、スパイスの効能と使い方の基本について解説します。
カレースパイスがもつ役割3つと効能
スパイスには大きく分けて3つの役割があり、カレーに使われるスパイスもそれぞれ役割ごとに分類することができます。
1.彩りをつける
カレーの黄色はターメリックによるもの。油と一緒に炒めると、きれいに色付けができます。また、加熱すると、独特の土臭さを和らげることができます。
《ターメリックの効能》
ターメリックに含まれるクルクミンは、胆汁の分泌を促して肝臓の働きを助ける薬や胃の機能を高める薬の材料に使われています。しかし、クルクミンを過剰に長期間にわたってとり続けると消化器官の調子が悪くなるので、とり過ぎには注意が必要です。
2.香りをつける
スパイスには、料理においしそうな香りをつけたり、魚や肉の臭みを消したりする働きがあります。カレーによく使われるのは、クミン・コリアンダー・クローブなど。
ホールのスパイスを使うなら、砕いてから使うようにしてみてください。スパイスの組織を壊すことで、組織にたくわえられている揮発性の香り成分を引き出すことができます。パウダータイプのスパイスは、瞬時に香りが立つように組織を細かく砕いてあるので下処理の必要はありません。
《クミンの効能》
クミンは、カレーの香りをつくるのに欠かせない存在です。インドの伝統医学(アーユルヴェーダ)では、お腹にたまったガスの排出を助ける働きがあるとされています。
《コリアンダーの効能》
コリアンダーは、世界最古のスパイスのひとつ。ヨーロッパでは、消化を助ける薬・胃腸を丈夫にする薬・お腹にたまったガスを排出する薬として使用されています。
《クローブの効能》
クローブは、古くから中国や日本で、口内の清涼剤として重宝されてきました。
また、中国の伝統医学では、カラダを温める性質があるとされています。冷房による冷えで悩んでいる人はぜひとり入れてみてくださいね。ミルクティーやホットワインに加えるのもおすすめです。
3.辛みをつける
辛みを持つスパイスは、カレーの味を引き締めてくれます。
《唐辛子の効能》
唐辛子の辛さはカプサイシンによるもの。炭水化物や脂質の代謝を活発にさせ、体脂肪の蓄積を抑える働きがあるとされています。また、血流をよくし、冷えを改善する効果も期待できます。上手に使うと、料理の塩分カットにも役立ちます。
《生姜の効能》
生姜の清涼感のある辛みのもとは、ジンゲロールという辛み成分。
生姜を加熱すると、ジンゲロールがショウガオールという成分に変化し、カラダを深部から温めてくれます。冷え対策としてカレーに加えるなら、仕上げに加えるのは避け、煮込み中に足すようにしてくださいね。
《こしょうの効能》
こしょうは、使い勝手がよく、スパイスの王様とも呼ばれています。辛み成分のシャビシンやピペリンによる刺激的な辛みが特徴です。インドの伝統医学(アーユルヴェーダ)によると、デトックス効果や脂肪燃焼効果があるとされています。
カレースパイスを使いこなすポイント2つ
1.使い過ぎに注意する
スパイスは、使い過ぎると味のバランスが崩れてしまいます。カレーに加えるなら、少量から試してみることが大切です。
2.使うタイミングに合わせて、カレースパイスの形状を選ぶ
《パウダータイプ》
・こしょうを肉や魚の下味に使うと、まんべんなく行き渡り、臭い消しができる。
・チリパウダーを仕上げに加えると瞬時に辛みをプラスできる。
・インドのミックススパイス「ガラムマサラ」を最後に加えると風味がアップする。
《ホールタイプ》
・調理のはじめや煮込み中に加えると、色・香り・辛みが引き出され風味豊かになる。
気になるスパイスがあれば、おうちカレーにプラスすることから始めてみてください。
好みのスパイスや適量が分かるようになり、使いこなすヒントになります。
(出典 news.nicovideo.jp)